序文から、
延暦16年(
797年)
12月1日に成立していることがわかる。空海が24歳の著作であり、出家宣言として書かれた。流麗な四六
駢儷体で書かれている。
蛭牙公子、
兎角公、
亀毛先生、
虚亡隠士、
仮名乞児の五人による対話討論形式で叙述され、
戯曲のような構成となっている。亀毛先生は
儒教を支持しているが、虚亡隠士の支持する
道教によって批判される。最後に、その道教の教えも、仮名乞児が支持する
仏教によって論破され、仏教の教えが儒教・道教・仏教の
三教の中で最善であることが示されている。
弁証法的な手法によって、仏教が論理的に称揚されている。日本における最初の比較思想論であり、思想の主体的実存的な選択を展開した著作である。